二葉葵は二股に分かれる茎の根元から小さな花を付けます。
花は決して華やかとは言えませんが、楚々として咲く姿は古代の日本人の美意識を感じさせます。
群生するタフさがある反面、環境に対して繊細なこの植物は、今では限られた自然の中でしか自生出来ません。
徳川家の紋所の「葵の御紋」も、この葉を表したものです。
一般的には双葉葵と記しますが、上賀茂神社では二葉葵と記します。
ウマノスズクサ科の多年草植物で木陰で育ちます。
山葵(わさび)に似ているので、小川に生育しているように想像する人も多いですが、水はけの良い林の中に群生しています。
地上を茎が這うように広がり、一本の茎がすっと伸び上がり地上から数センチのところで二股に分かれ、それぞれの
先端に5~10センチほどのハート型の葉を対極に2枚つけます。
この由縁で「ふたばあおい」と呼ばれれています。
身近な照葉樹の林の中で、冬から春にかけてはたっぷりと陽を浴び、初夏から秋にかけては木陰で成長します。
源氏物語にも登場する日本を代表する祭りである「葵祭(あおいまつり)」は、この二葉葵を飾るところから、そのように
呼ばれています。
また徳川家の紋所の「葵の御紋」も、この葉を表したものです。
少し前までは身近な自然の中で当たり前に見ることができたこの植物を見かけなくなりました。
人里から遠く離れ、消え行く小さな命は、様々な環境の変化を私たちに気付かせてくれます。

